路地裏シネマ

映画の感想、評価

映画「クラークス」(1994)感想 71点

クラークス [DVD]

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あらすじ

コンビニ店員のダンテは、休日返上で働かされていた。そんな日にかぎって、元カノの婚約発表のニュースが流れたり、友人の葬式があったり……とトラブルがたくさん。
隣のレンタルビデオ店員のランダルを巻きこんで、最悪な一日が始まる。

アメリカの古き良き日常映画

「クラークス」は、コンビニを舞台にした一日だけの物語。映画全体を通してみれば、青年系の日常漫画っぽい雰囲気がある。倦怠感+だらだらとした日常。トラブルは起きるが、それで物語が大きく展開するっていうわけじゃない。
大学生でバイトしてて毎日があんまり楽しくない、そういう人間にヒットしそうだ。

日本の作品だと「THE3名様」が近いだろうか。「THE3名様」よりは「クラークス」の方がリアルなような気がする。
もちろん単純なコンビニバイトだけではなく、トラブルも起きるのだが、ぎりぎりありえそうなラインなのが上手い。
彼女との痴話喧嘩とか、シャッターの鍵にガムが入れられて開けられないだとか……。
とくに、トイレを借りるおっさんがいるのだけど、彼にまつわるトラブルが秀逸。

完璧な1ダースの卵を求める進路相談員も最高。
何十分も卵を見つめたり肌に合わせたりして、最終的に発狂しながら卵を潰す。
映画では、完璧な1ダースを見つけられなかったようだけど、彼が完璧な1ダースを見つけたときの喜びも観てみたい。

センスが良くて、何時間も観れる映画。

センスの良い会話

日本のコンビニでは絶対ありえないような会話が展開される。友人ランダルと下ネタを話しながら、商品を売ったりする。客との口論も耐えない。
とくにバカな客あるあるは、店員をやったことあるならわかるんじゃないだろうか。

①無茶な注文
②後ろに思いっきり商品があるのに、「○○はどこ?」と聞く。

とくにダンテとランダルの会話は、耳で聞いてて気持ちいい。

ダンテ「職権濫用だな」
ランダル「俺は支配階級の哲学を信じてるんだ。……支配するときは」

カルト的人気があるみたいだが納得の作品。モノクロも雰囲気が出ていい。監督は24歳でこの映画を撮ったみたいだけど、むしろ若くないとこんな映画は撮れないだろうなと思う。
一歩間違えたら駄作になってもおかしくないのに、おもしろさを保っているのは才能なんだろうか。