路地裏シネマ

映画の感想、評価

映画「シェルブールの雨傘」感想 74点

あらすじ

港町シェルブールの自動車整備士ギイと、傘屋の娘ジュヌヴィエーヴは恋人同士だった。
ある日、ギイのもとに召集令状が届く。2年間の別れに悲しむ2人は、永遠の愛を約束する。
それから数ヶ月後、ジュヌヴィエーヴは自分が妊娠していることに気づく。それと同時期に、宝石商カサールから結婚を申し込まれる。
ジュヌヴィエーヴは散々迷った末に、ある決断を下す。
そして二年が経ち、ギイがジェルプールに帰ってくるのだが……。

感想

全編ミュージカル

ミュージカル映画といえば突然歌い出すのが主流なのだが「ジェルプールの雨傘」は、全てがミュージカルである。
普通のセリフにもメロディがついており「わたしはー決めたのよー♪」という具合にずっと歌っている。
どうやら「ジェルプールの雨傘」の世界では、それが当たり前であり誰も疑問を持たないようだ。
もし他の世界から住人が紛れこんだら、一転コメディになるだろう。

恐ろしいことに慣れてしまうと歌いながらセリフを言うのが当たり前に思える。というか癖になってくる。上手い具合にメロディをはめこむから、違和感がない。
クラシカルな音楽は素晴らしい。
カトリーヌ・ドヌーヴの歌声もあって、雨の音のようにセリフが染みこんでくる。

それにしても全編ミュージカルにするのはかなり大変だっただろう。メロディの変調も違和感なくやっているところがすごい。
二人が会話をしていると誰かドアを開けてひと言いってきたり、音楽として飽きさせない工夫をしているという感じ。

と、画期的なミュージカルなのだが、ストーリーもしっかりしている。

ミュージカルとしては「ララランド」のように暗めで悲哀のストーリー。
突然の召集令状が、愛しあっていた2人の運命を変えてしまうという話になっている。ご都合的な部分がなく、「しょうがなかった」で片されるような現実感がたまらない。
この暗いストーリーが、港町の雰囲気と、ミュージカルの音楽があっていて、とてもいい。

まとめ

「ララランド」みたいなミュージカル映画が好きだったら、わりとオススメできる映画。
ミュージカル好きにも普通にオススメ。古典的名作である。
それにしても手法的に難しかったのか全編ミュージカル映画はあんまりないように思う。日本で作るとしたらどうなるのだろうか。