路地裏シネマ

映画の感想、評価

映画「1922」感想 Netflixオリジナル作品 70点

1922 (文春文庫)

1922 (文春文庫)

あらすじ

ネブラスカ州に住む農家のジェイムズは、妻アルレットと息子ヘンリーとともに暮らしていた。
妻の父親が死に、アルレットは100エーカーの土地を相続する。ジェイムズはその100エーカーの土地を息子に譲りたいと思っていたが、妻アルレットは土地を売ってオマハへ行くことを決意していた。
どうしても土地を売りたくないジェイムズは妻の殺害を試みる。
1992年、ジェイムズは息子ヘンリーを味方につけ、ナイフを手に彼女の寝室へと向かう。
そこからジェイムズの人生は大きく狂い始めた……。

感想(ネタバレあり)

映画「1922」はNetflixオリジナル作品。スティーブン・キングの同名小説を映画化したものだ。
スティーブン・キング原作ということもあって、サスペンス色よりもホラー色の方が強くなっている。

ジェイムズは土地のことで争っているうちに、段々と妻に対して憎しみを持ち始める。それが妻殺害の衝動にもなったのだろう。
印象的なのは妻を殺すときナイフを持ち出して、息子ヘンリーから「枕じゃ駄目なの?」と聞かれるシーン。息子には「本当は殺したくない」と言いつつも、殺意はあったことを示唆している。

妻アルレットを殺したジェイムズは、死体を古井戸に投げ入れる。翌日古井戸をのぞきにきたジェイムズは、死体の周りにねずみが群がっているのを発見する。
それからジェイムズはねずみに悩まされるようになる。ここでの「ねずみ」はジェイムズの「罪」に対するメタファーとなっているように思えるのだが、むしろ「アルレット自身=低俗の象徴」としてなっているのだろう。

映画を通して妻アルレットは現実的だが低俗な人間として描かれている。印象的なのは息子に対して下ネタを乱発するシーンだろう。
それに対して父と息子は理想と誇りを胸に抱いている。それがアルレットを殺すことで大きく狂いだすのだ。
息子は「あの土地を売ればよかった」というようになり、強盗や泥棒をしたりと低俗の道を進むことになる。息子の死体は「ねずみ」に犯される。

ヘンリーは恋人と駆け落ちするという理想を選び、最終的に現実に犯された。ジェイムズもまた土地という誇りを選んで、最終的に現実に犯されることになる。結局土地を売って、町へ出るはめになるのだ。

単純な心霊ものでも呪い的なものでもなく、恐怖の演出が一味違うところがおもしろかった。