路地裏シネマ

映画の感想、評価

映画「オズの魔法使」(1939)感想 78点

オズの魔法使 特別版 [DVD]

オズの魔法使 特別版 [DVD]

あらすじ

主人公ドロシーは農家の娘として、愛犬トトと暮らしていた。ある日、地主のガルチ婦人が現れ「トトに噛まれた」と訴える。殺処分にするため愛犬トトを連れていこうとするガルチ婦人。ドロシーは愛犬トトと一緒に家を飛び出す。
家出の途中で出会ったのはマーベル教授だった。叔母さんが心配で病気になったことを知ったドロシーは一目散に家に帰ろうとする。
しかし、竜巻が町に迫ってきていた。ドロシーは空き家へと逃げ込むのだが、家ごと吹き飛ばしてしまう。そして辿りついたのは魔法の世界だった。

感想(ネタバレあり)

改めて「オズの魔法使」ってぶっ飛んでるんだなと思って、ひたすら楽しい気持ちになれる映画だった。

何がいいかって、悪い魔女が2人いるんだけど、そのうちの1人を、竜巻で飛んだ家で潰しちゃうというところ。
さすがの魔女も家の重みには耐えきれなかったようだ。
「しかし本当に死んでいるのか」と思うところだろう。それはオズの国の人たちも同じ。
ミュージカル調で「完全に死んでますか?」「完全に死んでいます」というやり取りがあるのが笑える。

ドロシーがラッキーパンチで倒したのは、愛犬トトを殺処分しようとしたガウチ婦人なのだが、竜巻で飛ばされているとき普通に自転車を漕いでいるシーンは最高だった。

序盤は名曲オーバー・ザ・レインボーあり、オズの小人たちのダンスありで、1939年の作品とは思えないほどのおもしろさ。

とくに家のドアを開けた瞬間(オズに着いたとき)から、白黒映像→カラーになる演出は見事としか言いようがない。
並の監督だったら最初からカラーにしていただろう。

オズに着いたドロシーは、もうひとりの魔女を倒すため旅に出ることになるのだが、そこで出会うのはおなじみのカカシ、ブリキ、ライオンである。

中盤からはやや退屈感があった。魔女もわりとあっさり死んだなという感じ。水で溶けるのはまだいいとして、都合がいいところに水が入ったバケツがあるのは解せぬ。
オーバーリアクションで死んでいく魔女は少しかわいい。

あと、お仲間たち。旅の途中でそれぞれ足りないものを見に付けていくのかと思いきや、知恵を身につけたのはカカシだけ。もうちょい活躍させてもよかったのではないかと思う。ただ皮肉交じりのコメディだったから、まあいいか。

カカシに対して、終盤に出てくる大魔王がこう褒めるのが笑える。
「私の生まれ故郷では若者が大勢、大学に行く。だが卒業して学者になっても脳みそはあんたと変わらん」

魔女を倒して故郷に帰ったドロシー。いつの間にかベッドで眠っていて、熱で夢を見ていたのでしたちゃんちゃん、でおしまい。ちゃんと映像が白黒に戻る。

いま観てもおもしろい名作。
そういえばファンタジー系のミュージカル作品ってあんまりみないね。