路地裏シネマ

映画の感想、評価

映画「サイレンス」感想 37点

あらすじ

主人公マーディーは耳が聞こえず、森の中にある一軒家で暮らしていた。彼女の職業は小説家であり、その夜もノートパソコンに物語を打ちこんでいた。家のそばには、さっきまで遊びに来ていた友人サラの死体が転がっているとも知らず……。
そして殺人鬼は次なるターゲットを求め、マーディーに近づいていく。
耳の聞こえないマーディーと、クロスボウを持った殺人鬼との、凄絶なる戦いが幕をあける。

感想

目の見えない人が殺人鬼に追われる映画はあれど、そういえば耳が聞こえないパターンはなかったな、と思い視聴。

ちなみに前者の映画は「見えない恐怖」で、こちらは普通に傑作。逆に目の見えない人に襲われる方は「ドンド・ブリーズ」で、こちらも良作だろう。

視覚の無さを描くことに比べて、音の無さを描くことの難易度は極めて高い。そのことについて監督がわかっているかどうかで言えば、わかっていないと言わざるを得ないだろう。

主人公の耳が聞こえないというのは単なる引きであり、段々無いに等しくされる。そういった演出は序盤でしか出てこず、まったく活かされることはない(ラストで雑な伏線を回収するが)。むしろ主人公の小説家としての才能というありふれた設定の方が活かされる。

あとはよくある殺人鬼vs被害者という構図に収まる。変わっている点でいえば殺人鬼が間抜けすぎてチャーミングだということくらいだろうか。

どちらかといえば笑えるB級ホラー映画。

感想(ネタバレあり)

マスクを被った殺人鬼に襲われる友人サラは、必至にドアの窓ガラスを叩いてマーディに助けを求める。
マーディは夕食の片付けをしているのだが、耳が聞こえないため気づかないシーン。

あれだけ激しくバンバンやっていたら振動で少しは伝わるのでは? と思ってしまうのだが、それはさておいて主人公にフォーカスしているとき自然音は消える。ここら辺はまだ良い。これがこの映画の演出として到達点なのは残念。

というか根本的に主人公にフォーカスしているときは無音にすべきだと思う。これ以降ラスト近くほぼ無音にならない。ラスト近くも無音のシーンが短すぎる。
夜の虫がきれいな音色を奏でる中「主人公が耳の聞こえない孤独さ」に共感しろと言われても到底無理な話だろう。
補聴器レベルであれば、無音でなくても納得したのだが、設定が死にすぎ。

そもそも殺人鬼がまったく怖くない。マスクをしている姿はゴールデンボンバーのメンバーにいそうで笑えるし、マスクを脱いだらめっちゃ普通の顔をしている。
それで「死んだ方がマシだと思わせてやる」とか言っても迫力がなさすぎる。

そしてこの殺人鬼なのだが、映画の中で圧倒的な間抜けっぷりを披露する。

第一試合、ハンマーで普通にやられる犯人。「え」みたいな顔が笑える。
そして、足を負傷した女性にクロスボウを奪われ、突き落とされる。
突然現れた隣人にわりとマジであせる。しかも怪しい人物だと見破られる。

というか殺人鬼の位置が、主人公マーディーに即バレするのは一体なんなのだろうか。

で、なんだかんだありつつラスト
警報と点滅のなか、マーディーは殺人鬼に反撃を食らわす。警報の伏線を回収しておしまい。まあ、そうだろうねというオチで終わった印象。

殺人鬼ものとして観るならあり。
耳が聞こえない設定で期待しない方がいい。