路地裏シネマ

映画の感想、評価

映画「ホイールマン ~逃亡者~ 」感想 Netflixオリジナル作品 40点

あらすじ

主人公は犯罪者専門のドライバー。通称ホイールマンとして仕事をしていた。その日も銀行強盗の二人組を現場まで運んだホイールマン。あとは彼らが犯行を終えるのを待つのみだったのだが……突然着信が入る。
「トランクに金を入れたら2人を置き去りにしろ」と言う依頼人。そうしないと殺される、と。
わけもわからない状況で、車を発進させる主人公。赤いトランクに大金を積めたまま、行先もわからないドライブを続ける。

感想(ネタバレなし)

カーアクションや銃撃戦がメインではなく、車の中で展開される緊張感のあるサスペンス部分がメインの映画。

派手な映画を期待していると拍子抜けを食らうだろうが、スマートフォンを上手く活用することによって、微細な緊張感を保ち続けている。

主人公ホイールマンには13歳の娘がいるのだが、命が危険な状況なのに娘の貞操も気にかけていたり、と緩和の部分もうまい。

個人的には、小さいおもしろさが延々と続くものの、ドカンとくるおもしろさが無かった印象。
演出や脚本自体は「上手い」とは思うのだが、それがおもしろいには繋がってこなかった。
理不尽にふりかかる主人公の状況の答えも徐々に明らかになるのだが、ありふれた話以外の何物でもない。
シーン一つ一つは良いのだが、一本の映画としては物足りなさが残る。

ちなみにこの映画は、ほぼ9割が車の中のシーンであり、カメラも車内に固定されている。外へ出たときも車内からの視点で外の状況を描いている。

そのためホイールマンと一緒に車にいる気分を少し味わえる。この撮影の仕方はけっして斬新なものとしてやっているわけではなく、映画のトーンを合わせるためにやっているのだろう。
観ている人が違和感を得ないようにアングルをこまめに変えているところも上手いなと思う。

感想(ネタバレあり)

主人公ホイールマンが巻き込まれたのは単なる勢力争い。新手のギャングが旧勢力の仕事を潰すために利用されたという内容。
ストーリーの軸はありふれたものだが、娘を活躍させたところはよかった。

個人的に一番思うところがあるのはラストのシーン。
主人公は車の中から、ファミレスで娘と妻が抱き合うところを見ている。

暗い車の中―主人公、明るいファミレス―妻子の対比が見事だと思う。もうすべて片付いたのにホイールマンは車から降りられない。
妻子が無事でホッとするシーンでもあり、自分が明るい場所には行けないという悲しいシーンでもある。最後に娘がふっと振り返るところも上手いなと思う。