路地裏シネマ

映画の感想、評価

映画「ゲット・アウト」感想 70点

ゲット・アウトについて

ホラーとしては新しい部分と、古い部分が混在している。
「ああ、そう来るのか」と思ったら、ありきたりな展開になったり。すごく惜しい映画だと思う。

お話としては、黒人のクリスが白人である彼女ローズの実家に招待されるのだが、彼女の実家なにかがおかしい……という感じ。

ローズの母親が催眠樹を得意としていたり、家を出ると使用人が猛スピードで走っていたり、出る人出る人みんな少しおかしい。
クリスが黒人であることを利用して、人種差別の雰囲気を醸し出しつつ、一人だけ余所者であるクリスの疎外感をうまく表現している。

ただ、何か変なんだけど、それがわからないモヤモヤが一時間近く続くため、かなりダレる。
ヒートアップするのが遅く、前半はわりと退屈だった。しかし、その前半こそ意味を持っている

後半になってモヤモヤの正体がちゃんと明かされる。異様な雰囲気で怖がらせていたのではなく、理由があったのである。
映画としてはここがピークかもしれない。ホラーが好きだったら観る価値は充分ある。

主演クリスを演じたジョーダン・ビールの演技も、個人的には好きだった。表情で感情伝えるのが上手い。

ネタバレあり感想

真相が明かされてからの展開がよくあるホラーだなと思ってしまった。
クリスの過去の伏線や、フラッシュの伏線を活用していたのは巧いのだが、やばいやつを退治しつつやばい家から逃げ出す、という展開は見飽きている。

それこそ中盤までは、次どうなるのかわからない、雰囲気があったのにここで「あー」と落胆してしまった。「ゲット・アウト」だったらもっとすごいのを用意してるのでは、という期待の高さのゆえである。
ただ、ありきたりとはいえ、「逃げれるか、逃げられないか」という緊張感は、やはり観ていておもしろい。

フラッシュで前の人格が戻るのは、手術室のライトを思いだすからだろうか。

個人的にはクリスが椅子にしばられた辺りがピークだった。
「真相」が明らかになった後、前半の映像の意味がまったく変わっていくというのはヒッチコックを思わせる。

あと惜しいと思ったのはラスト。
助けにきた友人とクリスの会話。ここで完璧なセリフがあったら満足度かなり高かった。

そしてこの映画は、ホラーだけではなく人種差別映画でもある。
自分たちと違うからではなく流行っているから黒、というすごい角度からの人種差別をしているのがすごい。