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映画の感想、評価

映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」感想 76点

新感染 ファイナル・エクスプレス [Blu-ray]

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最高のゾンビ映画

ゾンビ映画の中でかなり優れている作品。
下手なB級ホラー映画ではない。
中だるみがなく、一瞬たりとも飽きさせない映画になっている。

怖さを強調したものではなく、エンタメ度が高いゾンビもの。
グロさも控えめなため、老若男女楽しめるんじゃないだろうか。

ストーリーや展開に斬新さはないが、求めているものをきっちり答えてくれるのが好印象。

ぼくはSIRENというホラーゲームが好きなのだが、それと似ている雰囲気があって嬉しかった。
ゾンビものなのに銃が出てこないのも良い。
メインの登場人物は新幹線の乗客であり、高校生や会社員といった普通の人たちだ。

彼らはゾンビに対して無力ではなく、知略でゾンビを退けたり倒したりする。

ゾンビの設定も素晴らしい。
走ることはできるが、猛スピードで走ったりしない。力も変わることがない。人間がそのままゾンビになっただけだ。

ゾンビ映画の中では最高の一本なんじゃないだろうか?

ただ、個人的にはありふれた感動要素がいらなかった。もっとゾンビ映画として突き抜けたら評価はさらに高かった。
あと、邦題のセンスが致命的にない。
おそらく、新感染と新幹線をかけているんだろう。この邦題を考えた人、許可した人は、酔っ払っていたんだろうか? 史上稀に見るクソタイトルである。
ちなみに映画のゾンビの感染の仕方は、極めてオーソドックスなものであり、どこにも「新」の要素はない。
原題の「釜山行き」は確かに地味ではあるが、こっちの方がはるかに良い。

ネタバレあり感想

個人的には、燃えている電車が突っ込んでくる辺りがピークだった。
ここまでは満足に満足で、「俺はこんなゾンビ映画が見たかったんだ!」と叫びたくなるほどの出来だった。
そこからちょっと微妙だなと思ったのは、感動路線に切り替わろうとしている感じを受けたからだ。
まず、おじさん。
おじさんはゾンビに立ち向かい、主人公の娘であるスアンと、ソギュンを守るんだけど、おじさんってこういうキャラだったけ? と思ってしまった。
悪い人間ではないんだけど、勇気のあるキャラではないという印象があった。
おじさんとスアンの交流が書かれていたら違和感はないんだけど、少し「ん?」と思った。

そしてラスト近く、主人公ソグは、自己中心おじさんであるヨンソクと戦うことになる。
これは最初からそうなるだろうとは思っていたんだが、ヨンソクがゾンビになっていたところが嫌だった。
それこそ倍返し的な展開が欲しかったのと、西部劇の決闘みたいな電車のところで1対1で戦うシーンは、この映画ではのぞんでいなかった。

ラスト、スアンとソギュンは軍に保護される。スアンが歌っていたのが、なんで歌わなかったというあの曲で、そこらへんの構成はめちゃくちゃ上手い。
ただ「母親は?」と思ってしまった。母の生死が気になっていたので肩透かしをくらってしまった。
もしかすると続編があるのかもしれない。目的が釜山であり母であったと思うのだが、母はどうでもいい要素だったのだろうか。

と、若干の不満もあるけれど、「釜山行き」はものすごくおもしろい映画だったと自信を持って言える。
エンタメ度が最高だった。