路地裏シネマ

映画の感想、評価

2017年映画ベスト5

はじめに

もうすぐ今年も終わりということで、2017年に日本で公開された映画のなかから、マイベストを決めたいと思います。

旧作ばかり観ていたので、新作でいうと30本程度です。あとでリストも置いておきます。
鑑賞作品が少ないのでベスト10ではなく、ベスト5にしました。

是非、これから観る映画の参考にしていただければと思います。

2017年に鑑賞した新作映画一覧

ララランド 
美女と野獣 
SING/シング 
モアナと伝説の海 
ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち 
パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊 
スパイダーマン ホームカミング 
ブレードランナー2049 
スキップトレース 
泥棒役者 
ジグソウ:ソウ・レガシー 
IT/イット “それ”が見えたら、終わり。 
人狼ゲーム ラヴァーズ 
人狼ゲーム マッドランド 
新感染(釜山行き) 
お嬢さん 
ギフテッド 
At the terrace テラスにて
マンチェスター・バイ・ザ・シー 
海底47m 
ムーンライト 
ベイビー・ドライバー 
メッセージ 
スウィート17モンスター 
スイス・アーミーマン 
わたしは、ダニエルブレイク 
帝一の國 
ゲットアウト 
光(河瀬直美) 
僕のワンダフルライフ 
DESTINY 鎌倉ものがたり 

Netflixオリジナル
ホイールマン 
1922 
ザ・ベビーシッター 
デスノート(2017)

有名所だと「ドリーム」や「ダンケルク」辺りを観ていません。
未鑑賞で気になっているのは「エンドレス・ポエトリー」でしょうか。

2017年映画ベスト5

5位 モアナと伝説の海

モアナと伝説の海 (吹替版)

モアナと伝説の海 (吹替版)

ディズニーアニメはとにかく「自由」への描き方がうまい。
主人公モアナは「海への憧れ」はあるけど、島の村長にならないといけないと決められています。
そんなモアナが、海へ行こうと決意する。そして主題歌「How Far I’ll Go」が流れる。
自由へと向かうシーンに最高に音楽をシンクロさせるから、カタルシスが最高なんです。サビと同時にどこまでも広がる海が目に飛びこんでくる。
曲もわざと母音「o」を多めに作っていて、心の底から叫びやすいようになっているんですよ。(これはアナ雪の「ありのままで」も同じですね)
「自由」へのカタルシスという面では、ディズニー映画史上最高の出来だといっても過言ではありません。
https://www.youtube.com/watch?v=75tZrqDVr98

4位 新感染(釜山行き)

新感染 ファイナル・エクスプレス [Blu-ray]

新感染 ファイナル・エクスプレス [Blu-ray]

これは個人的に最高のゾンビ映画だと思っています。
新幹線という限られた空間を使い、ゾンビに襲われる緊張感を持続させ続けた、極めてエンタメ度の高い作品でした。
「いきなりソンビが出てきてびっくり」という虚仮威しのゾンビホラー映画とは一線を引いています。
シナリオ的にはありきたりではありますが、感動要素もあり、ゾンビ好きじゃなくても楽しめるかと思います。

3位 帝一の國

帝一の國

帝一の國

エンタメという意味合いで、一番楽しんだのがこの作品であったため、この順位にしました。
「選挙戦」という扱いにくいジャンルを、映画のなかでこれでもかというくらい楽しく面白い作品にしたのは、素直に素晴らしいと思います。
最後のオチも最高で、ポップコーン片手に観る映画としては、これ以上のものはありませんでした。

2位 At the terrace テラスにて

At the terrace テラスにて

At the terrace テラスにて

映画のセリフと、現実での会話は、多いに異なると思います。そんななか、この作品は現実での会話を映画に持ってきた、一風変わった作品です。

初対面で知らない人と交わす微妙な会話と空気感を、完璧に再現しつつ、ありえるとありえないの境界線をなぞるような展開になっていく。

個人的には前半は最高、後半は微妙、という評価ですが、一番印象に残っている映画です。
初公開は2016年なのですが、2017年に本格的に再上映されたということもあり、今年の映画としてランクインしました。

とにかく予告編が最高なので、是非一度ご覧になって見てください。
https://www.youtube.com/watch?v=a5BGOgGfGuc

1位 スイス・アーミーマン

スイス・アーミー・マン DVD

スイス・アーミー・マン DVD

僕の中では断トツの1位になります。
ダニエル・ラドクリフが死体を演じ、放屁を利用して海を突き進んだり、一物がコンパスになったり、という狂った設定を最後まで持続させた点に対する高評価。

そして、狂った設定でありながら、マイノリティの生き方や愛や悲しみについて描かれていた点が、ただのコメディではないことを証明していました。

さらに、「批評精神」を忘れなかった点が、本当に素晴らしいと思います。
マイノリティを描いた作品は数あれど、ここまで厳しく描いたのは今年では「スイス・アーミーマン」だけでした。

冴えない青年であるハンクと、死体であるマニーは、サバイバル中に二人だけの世界観を作りあげます。
それこそ「スイス・アーミーマン」の世界観でもあるわけですが、この映画が素晴らしいのは、終盤になって、その世界観が第三者によって冷たい目線に晒されることです。
二人だけの世界観は、二人にとっては素晴らしいものですが、第三者にとっては「奇異」であるに過ぎない。
この映画は、最後の最後で、冷水を浴びせるような自己批判をしてきます。ハンクとマニーへの批判のみならず、この映画が持っている世界観への批判でもあるわけです。
そこが本当にすごいと思いました。

たとえば「ムーンライト」にせよ、「ギフテッド」にせよ、最終的にはマイノリティ及び、映画の持っている世界観に対する「やんわりとした肯定」で終わります。
両者とも好きな映画だし、褒めるところはいっぱいあるんですが、「スイス・アーミーマン」を観たあとだと、物足りなさを感じてしまう。

そもそも自分の世界観を否定してくる映画って、そうそうないかもしれませんね。

というわけで1位はスイス・アーミーマンでした。
来年もよろしくお願いします。