路地裏シネマ

映画の感想、評価

映画「FOUND ファウンド」(2012)感想 53点

FOUND ファウンド [DVD]

まだ観ていない人へ

見所

・やさしい兄は殺人鬼。
・ホラーと兄弟愛の融合。
・グロ描写あり。

あらすじ

気弱な少年マーティは、学校でいじめられている11歳。そんな彼の趣味は、ホラー映画と家族の秘密をのぞくことだった。
ある日、ボールを借りるため兄のクローゼットを開けると、バッグから人間の生首が顔を覗かせる。
兄は殺人鬼だったのだ。

解説

兄は殺人鬼でありながら主人公である弟マーティにはやさしい、というのがなかなかおもしろい設定。
兄が殺人鬼じゃなかったら普通の良い話になっていたんじゃないかな、と思う。しかし、兄弟愛と殺人鬼を織り交ぜたせいで、狂気部分はそんなに感じない。
途中グロ描写が続くので苦手な人は注意。とはいえ題材の割にはグロ描写は少ない。当然ながら幽霊ものではない。

ネタバレあり感想

ここからネタバレありになります。鑑賞後にどうぞ。

新鮮なホラー映画ではあったのだけど、ストーリー自体そこまでおもしろくない。
あと殺人鬼の兄スティーブにそこまで魅力を感じないのが、個人的なマイナスポイント。

「悪魔のいけにえ」のレーザーフェイスや、「羊たちの沈黙」のレクター博士と比べると、兄スティーブは、殺人鬼の中でもかなり魅力に乏しいんじゃないだろうか。
映画に影響を受けるし、殺害理由もそこまで大したものではない。キレる若者レベルだ。唯一良かったのはラストで両親を殺すところくらい。

低予算なのだからもう少しストーリーやキャラクターを練ってもよかったような気がする。
アイデアは素晴らしいだけに、色々と拙い面の方が目につく。

主人公マーティの成長についていえば、綺麗事の世界から抜け出して、行き過ぎとはいえ「嫌なことは嫌」というようになった。
それならラストは兄と一緒にダークサイドに落ちてもいいような気がする。
なんというか性格がぶれているんだよね。
「もし殺人や暴力はだめだ」という主張を保つなら、教会での喧嘩のシーンはいらなかった。
最初から最後までやさしいマーティなら、弟vs兄で対立しててもおかしくない。

マーティに暴力性を芽生えさせた意味が、ストーリー的にまったくないのが気になる。
どうせなら兄の意志を継ぐラストでも良かった。

ラストも予定調和で終わった感があるので、兄を更正させようとする弟という流れでもよかったのは?