映画『ピーターラビット』感想 60点

癒やされてみようかなということもあり、映画『ピーターラビット』を観てみたのだけど、なかなかパンクな映画だった。「え、ピーターラビットってこんな話だっけ?」と思ってしまった。調べてみたところ、結構原作とは違うらしい。少し安心した。

主人公はピーターラビットというウサギ。兄弟姉妹がたくさんいてリーダー的な存在だ。しかし、このピーターラビットがなかなか性格が悪い。地元のヤンキーのようなオラオラ感と縄張り意識を持っている。たまにラップもする。爆破もする。人を感電させる。人に果物を投げつける。などなど。
こうして書いているだけでも狂気が伝わってくる。

ウサギということを差し引いたとしてもなかなかのパンクだ。では、ウサギ以外の登場人物たちはどうだろうか。驚くことにピーターラビットに登場する人間も一癖も二癖もあるやつらばかりなのである。

まず、この映画のヒロインでもあるビア。画家を目指している容姿に恵まれた女性だ。一見するとまともに見えるのだが、この女性はウザギ狂いなのである。ウサギラブ、ウサギは悪くない、ウサギは素晴らしいという感情がスクリーン越しにバンバン届いてくる。よくある動物が好きな心優しい女性のカテゴリーではない。推しに熱中する腐女子の勢いでウサギを愛してしまっている。パンクな女性だ。

そして人間側の主役とも呼んでいい人物が、マグレガーの甥のトーマスだ。おもちゃ屋で働くエリート社員である。そのエリートぶりは徹底していて、トイレの水が綺麗かどうかを確かめようとしてストローでトイレの水を飲もうとする。まじで、トイレの水を飲もうとする。誤解ないように言うと、便器の中の水である。しかしすんでのところで、トーマスはお偉いさんから呼ばれる。「絶対に昇進に違いない!」とウキウキしながら行くのだけど、用件は「叔父のマグレガーが死んだよ」というもので普通にがっかりする。さらに昇進は社長のバカ息子だよ、とまで聞かされて精神を破綻。おもちゃ屋で暴れて解雇される。

いまのところまともな登場人物が一人(一匹)も出てこない。これがこの映画の最大の魅力ともいっていいだろう。映画では、ピーターラビットとトーマスが、ビアの愛を求めて争いあう。まさに泥仕合である。
感電あり、ダイナマイトありの、ルール無用のデスマッチ。
あれ、俺かわいいウサギで癒やされようとしてたんだよな、プロレス見に来たわけじゃないよな、と思わざる得ないそんな作品が『ピーターラビット』だ。

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