映画「お早よう」(1959)感想 72点

お早よう

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昔だけど、普遍的でもある日常

小津安二郎の映画は、なんだかよくわからないんだけどおもしろい、という感じで、感想を書くのが難しい。
この「お早よう」もだらだら観ていたら一時間近く経過していて「あれ、もうこんな観たのか」と驚かされた。

映画としては、団地のご近所づきあいが描かれつつも、子どものストライキがメインとなっている。
テレビが欲しくて買ってもらえない子どもが、ストライキとして「一言も話さないようにする」という内容。

いまだったらSwitchになるのだろうか。「お早よう」に映っている住宅風景はもうないだろうが、描かれている中身は現代でも通じておもしろかった。
とくにご近所づきあいの微妙で複雑な感じを、上手く映像化できていることがすごい。

話の骨格であるテレビ云々については、話がちゃんとまとめられるものの、他の要素については閉じられないところもおもしろい。なにからなにまでストーリーに収められているわけでも、説明されるわけでもないのだ。

何気ない日常を「おもしろく」撮っているというか、やはり小津安二郎はすごいんだなと思わされる。
技術のひけらかしみたいなのもないし。

会費のやり取りや、お婆ちゃんが押し売りを上手く追い返したり、子どもが強情を張ったり、一つ一つのシーンがおもしろかった。

ネタバレあり感想

ここからネタバレありになります。

さりげなく描かれている枝葉のストーリーが、すごい好きだった。
たとえば押し売り。
押し売りがやってきて、そのあとセールスマンがやってきて防犯対策用品を売ろうとする。
押し売りで怖い目を見ている主婦は、買おうとするという小話。
そのあと、飲み屋で、押し売りとセールスマンが会話をしているのが描かれている。
説明はされていないが、恐らく彼らは仲間なのだろう。
そういうのが、さりげなく描かれているのがとても良い。

子どものだんまりが、会費をめぐったトラブルで根に持っているからだ、というふうに誤解されて、だんまりの母親の評価が「根に持つやつだ」と変わったり。
でもその当人はまったく気にしていないから、その誤解を知らなかったり、と。しかも映画ではそれからどうなったかわからなかったりする。

思わず「あるある」と言いたくなるような、コミュニケーションの複雑さが描かれているのがすごい。

あとは映画とテレビの関係かな。
テレビの登場によって映画は大打撃を食らったのは事実。
テレビに否定的だった父親が、最終的に「買う」ことによって、テレビをやんわりと受け入れたのがおもしろかった。

僕は小津安二郎について詳しくないのだけど、小津はテレビについてはどう思っていたのだろうか、というのが気になった。

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