『ルイスと不思議の時計』を見てきた。子供向けなのかなと思ってそこまで期待していなかったけど、普通におもしろいファンタジー映画だった。
若干ホラー要素もあり、それなりに怖いていうのも素晴らしい。
ここからネタバレありで考察していくので注意。
少年×叔父さん×隣のおばさん
このところ家族愛を描いた作品が多くて辟易しているのだけど、この映画の登場人物の組み合わせはなかなかおもしろいと思う。
魔法が絡んだファンタジー映画はだいたい同世代の友人と力を合わせるか、やさしいモンスターや生き物と共同するかどちらかが多い。
なのに主人公ルイスの仲間は叔父さんとおばさんだ。
この3人が世界を救おうとするのである。かわいい女の子はほぼ出てこない。
そしてこの3人の共通点は、家族を失っていることだ。
ルイスは両親をなくし、叔父さんジョナサンは父親のもとを去り、おばさんフローレンスは家族を亡くしている。
この3人の家族ともいえず、友人とも違う関係性が素晴らしいと思う。家族を失ったものたちが、新しい家族を得るストーリーといってもいいかもしれない。
ジョナサンとルイスの関係
父親から去ったジョナサンが、ルイスの父親代わりとして生活を共にする。
ルイスがアイザックを生き返らせたことを知ったジョナサンは、ルイスを許すことができない。
これはそっくりジョナサンとその父親の関係に当てはまる。
映画の中では特に言及はされていないけど、ジョナサンは自分の父親の気持ちを知ったのではないだろうか。
ルイスの成長
ルイスはトレードマークのゴーグルを外してでも普通になろうとした。禁忌を破ってでもタービーと友人になろうとしたのだ。
だけど物語を通してルイスは変わり者でもいいと悟る。そして、同じく変わり者のローズと仲良くなっていく。
自分を殺してまで他人と仲良くするな。自分は自分のままでいいというメッセージがこめられているように思う。